※このQ&Aの解説文中では、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」(中央教育審議会初等中等教育分科会 平成24年7月23日)を「報告」という。

インクルーシブ教育システム構築に向けて<保護者向け>

Q

子供の通う学校で、エレベーターを「合理的配慮」として設置することを求めることができますか?

A

 エレベーターを設置することを求めることは可能ですが、「合理的配慮」については、学校や学校の設置者との相談を経て、可能な限り合意形成を図りつつ、その内容が決定されていきます。

 「合理的配慮」とは、障害のある子供が、他の子供と平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことです。また、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるものですが、学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において均衡を失した又は過度の負担を課さないものと定義されています。

 対象となる子供の障害の状態から、学校内での移動に関して配慮が必要となる場合、上下階の移動を伴わない教室使用の工夫、介助者等の人の援助、「基礎的環境整備」として既にエレベータが設置されている学校での学習、学校の設置者のバリアフリーの施設設備の設置計画等、これらを踏まえて様々な変更・調整方法の検討が行われることになります。

参考:中教審初等中等教育分科会報告【3-(1)】
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/houkoku/1321667.htm

2014年4月22日 14時50分