事例タイトル
【21】周囲の言動や音に過敏に反応し、他者との関係性に困難さを有するアスペルガー症候群の中学2年の生徒に対する合理的配慮の事例
事例の概要
A生徒は、アスペルガー症候群で、私立のB中学校の通常の学級に在籍し、全教科の授業を通常の学級で受けている。どの教科においても落ち着いて前向きに取り組み、疑問点を残さないよう、積極的に質問もする。また、理解が早く、国語や英語を中心に優秀な成績である。ただし、全体の場での指名による発言や音読等は緊張する様子がみられる。
生活面では、不安感が強く、初めてのことや心配なことがあると、事前に必要以上に考えすぎてしまう傾向がある。対人関係では、どのような状況であっても他人を受け入れ、穏やかに接するため、集団になじめない生徒やよりどころを求める生徒がA生徒のもとに集まってくるが、実際にはうまく対応できず、自分で抱え込むことで受けるストレスは大きい。また、自分とは関係ないところで起こっている問題までも気に病む傾向がある。このようなことから、他人との距離のとり方を本人が納得できる形で説明したり、A生徒の思いを話すことによって気持ちを整理させたり、別室で一人になる時間をつくるという合理的配慮を行った。このことにより、少しずつ落ち着いて学校生活を過ごせるようになってきた。
在籍状況
中学校(通常の学級)
学年
中2