事例タイトル
【30】集団行動が難しく、幼稚園になじめない幼児に対して、落ち着いて過ごすことができるようにするための取組に関する事例
事例の概要
本件は、 A児(B幼稚園の3歳児クラスに在籍)の事例である。入園当初より落ち着きがなく、登園時に入室を嫌がり、泣いたり奇声をあげたりする姿が見られた。基本的生活習慣もほとんど身に付いていなかったため、教員が個別対応で援助していた。
A児は、視線が定まらず、話しかけても応答がほとんどない。他の園児とも関わろうとせず、1人で歩き回ることが多かった。集団生活では、教室に入るものの、活動の意味を理解できず、室内を歩き回ったり室外へ出ようとしたりする姿が見られた。このため、2学期からは、無理にA児を集団に合わせようとするのではなく、できることを少しずつ行うことで、幼稚園がA児にとって居心地のよい場所になるよう配慮して指導を進めた。2学期に入ると、日によっては、靴の脱ぎ履き、かばんをかけるなどの身支度が自分でできるようになってきた。友達への関心も出始め、教員が仲介する中で友達の持っているものに興味を示したり、友達の動きを目で追ったりするようになった。3学期に入るとA児の行動範囲が広がり、他児と別行動をとり教室外で過ごすことが増えてきた。職員全体でA児がどこで何をしているのかを把握し、のびのびと過ごせるように見守っている。
在籍状況
幼稚園
学年
年少