事例タイトル
【57】通常の学級に在籍する中学2年生の場面緘黙症の生徒に対して、メモやアプリを用いた意思疎通に取り組んだ事例
事例の概要
本事例は、場面緘黙症である通常の学級に在籍する中学2年生のA生徒に対し、学級担任と教科担任、特別支援教育支援員(以下、「支援員」という。)等による協力体制に基づき指導を行った事例である。A生徒は場面緘黙症のため、学校では一切声を出さない。また、指示を聞き、皆と行動することが難しい。そのため入学当初はA生徒の考えを把握することや、指示に従い集団行動をすることが困難であった。
A生徒の考えを理解するための方策としては、まずは支援員がA生徒の考えを引き出すため、メモでのやり取りを行い、次第により複雑な考えを引き出すためにタブレット型端末のアプリの使用も始めた。また、学級担任が放課後、A生徒と二人でコミュニケーションをとる場面を設定し支援を行った。これらのA生徒とコミュニケーションを取るための取組により、学級担任や教科担任、他の生徒に対する緊張感がほぐれ、A生徒は少しずつ自分の意志表示ができるようになってきている。時には声を出して笑う場面も見られるようになってきている。他の生徒も支援員や学級担任の行動をモデルとして、同じ方法でA生徒とコミュニケーションを取るようになっている。今後もさまざまな方法を試して、A生徒の意思を少しでも汲み取れるような方策を考えられるよう取り組む必要がある。
在籍状況
中学校(通常の学級)
学年
中2
障害種
情緒障害
キーワード
場面緘黙症、緊張、コミュニケーション、メモによる意思疎通、アプリを用いた意思疎通
事例ファイル
備考1
備考2
備考3