事例タイトル
【70】授業に参加することができない自閉症のある児童が、保護者との合意形成を丁寧に進め、特別支援学級に在籍を変更し、学習活動に部分的に参加するようになった事例
事例の概要
A児は、B小学校の特別支援学級に在籍する、自閉症の小学3年生である。小学2年生までは、通常の学級に在籍していた。入学当初から授業には参加せず、教室にもほとんど入らなくなり、別室で個別の対応を行った。できる限り通常の学級での授業や生活に参加できるようにしてきたが、ほとんど参加はできなかった。こうした状況から、当面、特別支援学級に在籍を変え、小集団で、A児の発達や興味・関心等に配慮できる場所で、授業や生活を送ることが有効ではないかと保護者に提案した。その上で、A児の保護者との合意形成が課題となった。通常の学級在籍時は、学級担任だけでなく、特別支援コーディネーター、個別の対応教員も参加して、懇談を行い、A児の日常の様子を伝えた。母親だけでなく、父親にも参加してもらった。日常的には、学級担任や個別の対応教員が保護者の悩みや願いを聞き取るよう、細かな配慮を行った。また、通院している病院の医師や作業療法士等と話合い、できるだけ同じ方向で、保護者に対応した。大学の特別支援教育研究者やスクールカウンセラーとの相談も実施した。保護者との合意形成に至り、特別支援学級に在籍をしているが、現在も具体的な合理的配慮について、保護者との合意形成を進めている。
在籍状況
小学校(特別支援学級)
学年
小3